ペインクリニックは痛み(ペイン)の診断、治療を専門としています。ペインクリニックでは、神経ブロック療法を中心に、レーザー治療や薬物療法を用いて痛みの治療を行います。肩こり、腰痛、膝痛、足の痛みなど、対象は多岐にわたります。
◎主な対象疾患・症状


Pain Clinic
神経ブロックは、痛みの原因となっている神経の周囲に、神経の興奮伝導を鎮める局所麻酔薬や炎症を抑えるステロイドを投与し、強い痛みを抑える治療法です。
薬の内服で効果が出ない場合や、手術後も改善しない場合に有効です。局所麻酔薬はその名のとおり痛みのある部位にのみ作用するため、全身への副作用は少なく済むというメリットがあります。
当クリニックでは超音波装置やX線透視装置を用いて安全に確実に目的部位に運針いたします。

また、近赤外線照射(スーパーライザー®)を導入し、注射をしない神経ブロック注射を併用しています。
近赤外線照射は、高出力の近赤外線を照射する方法です。局所麻酔薬を注射する方法より効果は穏やかで、注射や切開の必要がないため副作用や痛みがなく、体への負担が極めて軽い方法と言えます。
神経ブロックの種類や施行する回数は、痛みの原因や症状、部位によって異なりますが、繰り返し行う事で、痛みを起こす神経の周りの筋肉や関節などの炎症を抑え、血流を改善し、徐々に痛みを軽減していきます。
ペインクリニックでは神経や痛みの原因とされる部位を手術で切除したりする事はありません。
トリガーポイントとは、肩や腰などの痛みで特に強く傷みを感じるポイント(押すと痛い部分)のことです。トリガーポイントブロックとは、一般的な麻酔注射のイメージです。多くのトリガーポイントは、直接的な外傷や慢性の筋肉疲労などが原因で発生し、筋肉、または筋膜が緊張している部位に存在します。
長時間、同じ姿勢や無理な姿勢を続けるなどして、慢性的に筋肉に負担がかかるようになると、筋肉の中に硬いしこりのような部分ができます。その部分がトリガーポイント(強く傷みを感じる点)です。このトリガーポイントに局所麻酔薬やステロイド薬を注入して、痛みを取り除く方法がトリガーポイントブロックです。
痛みの悪循環を遮断し、血流を改善や筋肉の緊張を和らげ、体内の痛みの原因となる物質を除去します。慢性的に痛みが形成される前に早めに処置を行う事が大切です。
◎対象疾患

脊柱管内を通っている脊髄神経の周辺に局所麻酔薬を注入する方法です。
脊髄は硬膜という強固な膜によって守られています。その膜の外側の硬膜外腔というスペースにブロック用の針を進め、局所麻酔薬を注入し、脊髄から分岐した脊髄神経根に伝わる異常な神経伝達を遮断する事で、脊髄付近の炎症を鎮め、痛みを和らげます。
◎対象疾患
筋膜や靭帯の癒着や委縮により起こる「こり」や痛みに対して生理食塩水を注入し、動きを滑らかにする注射です。
◎対象疾患
腕神経叢ブロックは、頚椎から出た脊髄神経が腕神経叢をつくる部位に局所麻酔薬を注入します。この方法は、注射をした方の腕を動かす神経、腕の感覚神経、および交感神経を遮断する作用があり、頚部、肩、腕の痛みや血行障害を改善することができます。
◎対象疾患
椎間関節ブロックは、脊椎の関節部分に局所麻酔薬やステロイドを注入し治療します。脊椎は椎骨という小さな骨が連なってできていて、その上下の椎骨はそれぞれ関節を作ってつながっています。そこを椎間関節と呼びます。
脊椎が年齢的な変化を起こすと、この椎間関節に大きな負荷がかかるようになります。関節の摩耗により炎症が局所的に生じて痛みが出てきます。関節部分なので動かすと痛みが強くなります。
◎対象疾患
星状神経節は首の付け根付近にある交感神経節で、ここには頭・顔・首・腕・胸・心臓・気管支・肺などを支配している交感神経が集まっているため、適応範囲が広く、神経ブロック治療の中では最もポピュラーな方法です。
痛みは、神経から脊髄を経て脳に伝達され、痛みの部位を支配する交感神経が興奮します。するとその部位の筋肉がこわばったり、血管が収縮するなどして、血液の循環が悪くなります。
さらに、その部位で発痛物質が放出され、さらに痛み刺激をするという悪循環が起こります。星状神経節ブロックは、この悪循環を遮断します。交感神経が過剰に興奮している状態を改善することで、血流を改善し、痛みを軽減します。
さらに、神経痛だけでなく、アレルギー性鼻炎、顔面神経麻痺、突発性難聴、多汗症の治療などにも適応があります。